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まさにこの時計について、先日発表した紹介記事では、チタンは伝統的に高級時計製造に使われる素材ではないことを述べた。

しかし、こオデュッセウスに新しいチタンモデルが発表されたことでようやく(少なくとも私にとって)何が足りなかったのかわかった気がする。A.ランゲ&ゾーネが時計に軽量なチタンを採用するのはこれが初めてだが、ここで注目したいのは、厳密には金属の選択ではなく、その仕上げについてだ。

正直なところ、新しいオデュッセウスのチタン製ケースは、私がこれまで扱った腕時計のなかでもっとも精密で、間違いなく最高に仕上げられている。それゆえに私は本当に驚かされ、これがWatches & Wonders Geneva 2022の忘れがたいハイライトのひとつとなったのだ。

2022年 A.ランゲ&ゾーネ新作 ツァイトヴェルク・ミニッツリピーター 147.028F

ツァイトヴェルク・ミニッツリピーター
Ref:147.028F
ケース径:44.2mm
ケース厚:14.1mm
ケース素材:ホワイトゴールド
ストラップ:ブルーの手縫いレザー、ホワイトゴールド製フォールディングバックル
ムーブメント:手巻き、Cal.L043.5(ランゲ自社製)、36時間パワーリザーブ(完全巻上げ状態。リピーターを作動させない場合)、93石
仕様: 瞬転数字式の時および分、十進式ミニッツリピーター付きハンマー打ち機構、ストップセコンド機能搭載スモールセコンド、パワーリザーブ表示、ゼンマイ巻上げおよび時刻調整用リューズ、リピーター用ボタン、シルバー無垢ディープブルーダイヤル

まさにこの時計について、先日発表した紹介記事では、チタンは伝統的に高級時計製造に使われる素材ではないことを述べた。こうした状況は、ドゥ・ベトゥーンやローマン・ゴティエといったインディペンデントメーカーの先駆的な取り組みのおかげで、徐々に変わりつつある。私はそれらの腕時計を手にしたことがあるし、とても気に入っているが、新しいオデュッセウスに見られるようなA.ランゲ&ゾーネのチタンへのアプローチは、排他的な高級時計製造におけるチタンの可能性について、私の見方を完全に変えてしまった。

私の最初の反応は驚きだった。実際にこの時計を見て、そのビジュアルインパクトの弱さが信じられなかったのだ。私がそのように反応したのは、この時計の主要な仕上げであるマイクロブラスト仕上げの装飾が、SSやホワイトゴールドのサテン仕上げに取って代わり、ほぼ全面的にマットな表面になっていたためである。ただ、ケースとブレスレットを “マット” と表現するだけでは、何だか申し訳ない気もする。ブラスト仕上げのテクスチャは均一に塗られており、一貫してダークグレーであるため、オデュッセウスを触っているときに隣に座っていたジェームズが、ブラスト加工だけでなくケースに何らかのPVDコーティングが施されているように見えると発言したほどだ。

しかし、ケースとブレスレットは完全にマットというわけではない。ケースの側面、プッシャーのエッジ、ブレスレットのリンクの面取りはすべて個別にハンドポリッシュされており、これはSS製のオデュッセウスから受け継がれている特徴だ。チタン製になったことで、新しく改良されたケースとほかのケースとのコントラストがより際立つようになったと思う。実際に装着してみると、非常にソフトなマット仕上げと、ポリッシュ仕上げの側面や面取りによるシャープで反射性のある質感が、時計の表面にすばらしい、そして興味深い美的な緊張感を生み出しているということにすぐに気づかされた。

もちろん期待に違わず、新しいオデュッセウスは総重量わずか105g(注:ブレスレットも含めて)、非常に軽量である。従来のSS製モデルから50g近くも軽量化されたのだ。


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